おしゃれなヌックの実例8選!居心地のいい空間を取り入れるコツやアイデアを紹介!

最近話題の「ヌック」をご存じですか?
リビングの一角や窓辺など、家の中に小さなこもりスペースを設けることで、家族とほどよい距離を保ちつつ、自分だけの時間を楽しめる空間として人気が高まっています。
この記事では、実際の住まいで取り入れられているおしゃれなヌックの実例を8つ厳選してご紹介します!
さらに、ヌックの魅力や取り入れる際のポイント、空間づくりのアイデアまで分かりやすく解説します。
「どんな場所にヌックをつくればいい?」「後悔しないための工夫は?」といった疑問にもお答えしていますので、ぜひ理想のヌックづくりの参考にしてみてください。
1.ヌックとは?人気な理由と魅力

「ヌック」とは、住まいの中に設けられた、こぢんまりとして居心地の良い空間のことです。
リビングの一角や階段下、窓辺などに設けることが多く、読書や昼寝、ちょっとした作業など、自分だけの時間を楽しむ場所として注目を集めています。
欧米では古くから「ヌック文化」が根付いていますが、日本でも「おうち時間の充実」を重視する流れから人気が高まっています。完全に個室ではないけれど、リビングなどの共用空間とは少し切り離された半個室のようなヌックは、「家族とつながりながらも一人になれる」絶妙な距離感が魅力です。
さらに、限られたスペースを有効活用できる点も、住宅にこだわる方々に選ばれる理由のひとつ。デザイン次第でおしゃれさも演出でき、暮らしの中にちょっとした“特別”を生み出せるのがヌックの大きな魅力です。
2.ヌックを取り入れる4つのメリット
ヌックを住まいに取り入れることで、どのようなメリットがあるでしょうか?
ここでは、ヌックの4つのメリットについて紹介します。
メリット①:緩やかにつながる
素材の違いや段差を使ってゾーニングするため、パブリックゾーンから完全に切り離されることなく、家族の気配を感じながら過ごせます。
メリット②:用途の柔軟性
お子さまの成長や家族のライフスタイルの変化に合わせて、キッズスペース→趣味スペースのように用途の変更も可能です。
メリット③:メリハリが生まれる
ダウンフロアや小上がり、垂れ壁など、空間に立体感の生まれるヌックは、メリハリのある印象を与えるとともに、個性もプラスできます。
メリット④:空間の有効活用
小さな空間だからこそ、階段下や廊下などのデッドスペースに取り入れられるため、空間を無駄なく生かすことができます。
3.居心地のいいヌックを取り入れるアイデア
ヌックは、家の中のちょっとした空間を活かすことで、誰でも気軽に取り入れられるのが魅力です。
ここでは、実際に多くの住まいで採用されている「居心地のよいヌックのつくり方」を、場所別にアイデアとしてご紹介します。
日当たりのいい窓辺に

窓辺にヌックを取り入れれば、開放感とおこもり感のバランスが心地いい空間になります。窓の景色を楽しみながら、日差しに包まれて読書やお昼寝ができる至福の居場所になります。
LDKの一面に

リビングなどの家族が集まる場に「ちょっとこもれる」ヌックを取り入れることで、それぞれの過ごし方を尊重しつつも、家族と程よくつながる時間を過ごせます。
階段下のデッドスペースに

お子さまのわくわくを掻き立てる、まるで秘密基地のような階段下のヌックです。緩やかなゾーニングのおかげで、この中ならおもちゃが出しっぱなしになっていても気になりません。
廊下を「過ごす場所」に

廊下に設けたヌックは、部屋中のヌックよりもプライベート感を満喫できるスペースになります。本棚を設ければ、心落ち着く読書スペースの完成です。
4.おしゃれなヌックの実例8選
ここからは、実際の住まいに取り入れられたヌックの建築実例を8つご紹介します。
「家族の気配を感じながら読書ができる窓辺のヌック」や「秘密基地のような子ども専用ヌック」など、暮らし方やライフスタイルに合わせて多彩な形でつくられた実例を厳選しました。
デザイン性はもちろん、使い勝手や居心地の良さにもこだわった事例ばかりなので、「こんなヌックにしたい!」というアイデアがきっと見つかるはず。ぜひお気に入りの事例を探してみてください。
【実例①】仲良し姉妹の特別な空間

岡山県 Oさん邸
施工/ミナモト建築工房
断熱・気密性能にこだわりつつ、クロスや建材も選び抜いてつくり上げたOさん邸。中でも、かわいい盛りのお子さまたちの部屋には、家の形をした垂れ壁のあるヌックを設えました。垂れ壁に囲まれた、ゆったりと座れるベンチは、子ども部屋の中にさらに特別な空間をつくり出しています。
「垂れ壁の三角の部分は、大工さんと相談しながら細かく角度を調整しました」と奥さま。明るい光に包まれて、外の風景を眺めながら、おしゃべりしたり、遊んだり。毎日楽しい思い出が育まれていきます。

ストライプの壁紙でコーディネート。内壁にはニッチを造作。お気に入りの本やアイテムをディスプレイできます。


階段の踊り場に本棚を造作することで、ちょっとした憩いのスペースが誕生。段差に腰掛けて絵本を読んだりできる、居心地の良いリーディングヌックに。
【実例②】家族をつなぐくつろぎ空間

岡山県 Oさん邸
施工/ミナモト建築工房
LDKに家族が集まって過ごすことが多いというOさん。白を基調としたナチュラルな空間をつくり、DKを横並びに配して家事動線をシンプルに。ダイニングには、階段下を生かしたヌックを実現。おしゃれな照明で演出し、くつろぎのスペースをカタチにしました。



階段下ならではの勾配天井がかわいいヌックは、腰掛けて会話したり、家族の気配を感じながらごろりと横になったりと、思い思いに過ごせるスペース。お子さまが安心して遊べる場所としても大活躍。小上がりを活用した大容量の収納も便利。
【実例③】薪ストーブを囲む豊かな時間

岡山県 Mさん邸
施工/美作土建
住まいの中心を貫くように設けられた吹き抜けと薪ストーブが特徴的なMさん邸。この住まいの小さな安らぎの場所となっているのが、少し広めの玄関土間の一角にある、薪ストーブを囲む約3帖ほどのスペースです。上部は吹き抜けで開放感がありながら、どこか落ち着くおこもり感も。
薪の爆ぜる音に耳をすませながら、心地よいぬくもりに包まれる時間は至福のひとときです。
玄関土間を囲む2面の窓は引き込み式で全開放が可能。暖かい季節には庭とのつながりや里山の風景を目の前に楽しみながら過ごすこともできます。

建物のちょうど中心にある吹き抜けが、スキップフロアでつながる各スペースに薪ストーブのぬくもりを届けるとともに、家族の気配を伝えます。

毎日使う場所であり、ヌックからの視線も届く玄関には、好きな家具と好きなものを、目に入るたびに心が安らぎます。
【実例④】縦の空間を生かした居場所

岡山県 Aさん邸
施工/美作土建


2階と3階をつなぐスキップフロアに設けたヌック。造作の本棚兼ベンチで好きな本を読んだり、ぼーっとコーヒーを飲んだり、昼寝をしたり…。LDKとも程よい距離感で、家族とのつながりを感じながらも一人の時間を楽しめます。
【実例⑤】一人でも家族でも居心地抜群

岡山県 Hさん邸
施工/美作土建


リビングに隣接する1段下がった土間に、光が降り注ぐ明るいヌックを。大きな窓からの眺めを楽しみながら、家族で団らんするもよし、一人で気ままに過ごすもよし。夏はひんやり、冬は薪ストーブでぽかぽかの、一年中快適に過ごせる空間です。
【実例⑥】家族の時間を育む幸せな空間

岡山県 Oさん邸
施工/アイ工務店
開放的な吹き抜けリビングが印象的なOさん邸。吹き抜けに面したスキップフロア設け、上部はハーフ和室、下部はハーフ収納に。リビングとつながるハーフ収納は、落ち着いた雰囲気のあるヌックとして活躍しています。
一段下がった、こぢんまりとした空間で、お子さまと遊んだり、リビングにいる家族の気配を感じながらくつろいだりと、過ごし方はいろいろ。
お子さまに目が届く安心感も、子育て世代のご夫婦にはうれしいポイント。家族で過ごす豊かな時間を楽しんでいます。

奥まった空間だから、お気に入りのアイテムを、片付けてしまうのではなくスッキリと並べておけるのもポイント。隠れ家のようなワクワク感も味わえます。

2階廊下に設けたヌックには、アルバムや絵本をたくさん並べて。小上がりに腰掛けてお子さまと絵本を読む時間を楽しんでいます。
【実例⑦】子どもたちの秘密基地

施工/アイ工務店


平屋の上下空間を最大限に活用し、スキップフロアを実現。スキップフロアと下部ハーフ収納の立体構造が、目を引きます。
ハーフ収納はヌックとして、子どもたちの遊び場などに大活躍。大人もうれしいシアタールームとして使えるものを設けました。
【実例⑧】集中できる明るい勉強部屋

施工/アイ工務店


キッチンから目が届く位置に設けられたハーフの収納を、子どもたちが勉強時間の過ごすヌックに。子どもたちが視線を遮りながらも、大きな窓を設けることで採光を確保。程よいおこもり感で、勉強もはかどります。家族の目が届くので、家事の最中も安心です。
他にもたくさん!理想のヌックが見つかる実例集はこちら
今回ご紹介した8つの実例は、ほんの一部にすぎません。
「もっとたくさんのヌックを見てみたい」「自分の理想に近いアイデアを探したい」という方は、厳選された工務店の情報が盛りだくさんの「IETO(イエト)」で、ヌックの建築実例をチェックしてみてください。
5.ヌックを取り入れるときのポイントと注意点
ここでは、実際にヌックを取り入れるときのポイントや注意点を解説します。
どんな過ごし方をしたいか予め具体的にイメージする
ヌックをつくる際は、「この場所で何をしたいか」を最初にしっかり考えることが大切です。本を読む、昼寝する、パソコン作業をする、子どもと遊ぶなど、目的によって必要な広さや収納、照明の設計が変わってきます。あいまいなまま計画を進めてしまうと、結局使わないスペースになってしまうことも。家族で話し合いながら、ヌックでどんな時間を過ごしたいかを具体的にイメージしましょう。
インテリアにこだわる
ヌックは限られたスペースだからこそ、インテリアの工夫が空間の心地よさに直結します。たとえば、クッションやブランケットを取り入れて柔らかな雰囲気を演出したり、お気に入りの本棚や照明を設置して自分だけの空間をつくったり。あえて色や素材を他の部屋と変えることで、“別の世界”のような特別感を演出することもできます。小さな空間だからこそ、インテリアでの遊び心が活きる場所です。
空間にメリハリをつける
ヌックをうまく取り入れるためには、家全体の空間構成の中で「どこをヌックにするか」だけでなく、「ヌックをどう際立たせるか」も重要な視点です。段差をつけたり天井を低くしたりすることで視覚的にも機能的にも空間にメリハリが生まれ、ヌックの居心地の良さがぐっと引き立ちます。リビングなどの開放的なスペースとの対比を意識することで、家の中に豊かな表情が加わります。
6.まとめ
ヌックは、暮らしの中に“自分だけの心地よい居場所”をつくることができる、今注目の住宅アイデアです。用途に応じた設計やインテリアの工夫によって、読書・仕事・家族との時間など、多彩な楽しみ方ができます。
実際の住宅実例を見ることで、自分に合ったヌックの形がより具体的にイメージできるはず。ぜひ、本記事で紹介している実例を参考に、あなただけの特別な空間づくりを検討してみてください。
住宅ポータルサイト「IETO(イエト)」では、「ヌック」をはじめとするさまざまな建築実例を多数掲載しています。
理想の住まいを叶えるヒントがきっと見つかるはずです。気になる実例があれば、ぜひ詳細ページもご覧ください。

住宅情報誌の発行に携わり、約15年。 これまでに約1,000棟のお家を取材しました。 工務店のすてきな家づくりを皆さまに知ってほしい、 後悔のない家づくりをしてほしい、そんな思いで紹介しています。 工務店には直接聞きづらいことも、お気軽にお問い合わせください!