瀬戸内小説の映画ロケ地巡礼 in 兵庫県

瀬戸内が舞台の小説の中には映画化されたものが多数あり、瀬戸内各県で撮影ロケを行った作品も多い。スクリーンの中に登場する瀬戸内ならではの美しいスポットへ実際に足を運び、作品の世界観に浸ってみよう。兵庫県内で撮影された小説映画のロケ地を紹介。
<取材・写真・文/鎌田 剛史>
『花の降る午後』のロケ地 ~兵庫県神戸市~
数々の映画やドラマの舞台となった港町・神戸の魅力を満喫。
老舗フレンチ・レストラン「アヴィニョン」を舞台に、店の女主人と、乗っ取りを企む謎の女との闘いを描いた作品『花の降る午後』は、1989年に神戸市政100周年記念映画として公開された。監督を務めた大森一樹さんの故郷でもある神戸市内でオールロケを敢行。市街中心部の三宮から北へ坂を登った北野町を中心に撮影が行われ、明治・大正時代に建てられた異人館が立ち並ぶ異国情緒あふれる風景がスクリーンに登場する。「六甲アイランド」や「南京町」などの観光スポットでも重要なシーンが撮影された。








映画『花の降る午後』
監督:大森 一樹/公開:1989年/東宝/105分
原作『花の降る午後』
夫を癌で失くし、老舗レストランを女手一つで切り盛りする「典子」に襲いかかる苦難。生前の夫とともに買い求め、店に飾っていた絵を貸してほしいという青年が現れる。その絵の裏に隠されていた夫からの手紙には驚くべき告白が…。異国情緒あふれる神戸を舞台に、真摯に生きる人々を描く物語。上下巻。

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『阪急電車 片道15分の奇跡』のロケ地 ~兵庫県宝塚市・西宮市~
えんじ色の電車に乗って撮影スポットを巡る各駅停車の小旅行。
電車内という限られた空間の中で、それぞれの人生が少しずつ重なり、影響し合い、離れていく。有川浩さんの小説『阪急電車』は、愛と出会いがテーマのヒューマン・ストーリー。2011年には映画化され、主人公・翔子役の中谷美紀さんや、時江役の宮本信子さんらによる豪華キャスト陣が奇跡の物語を好演した。撮影は「阪急今津線」の車両内のほか、停車する8つの駅とその周辺で敢行。さまざまな人間模様が繰り広げられる印象的なシーンを思い浮かべながら、駅や沿線の風景を巡るショート・トリップを楽しもう。








映画『阪急電車 片道15分の奇跡』
監督:三宅 喜重/公開:2011年/東宝/119分
原作『阪急電車』
隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分の阪急電鉄今津線で、駅ごとに乗り降りする人たちの物語。乗客たちの人生が少しずつ交差し、それはやがて希望へと変わっていく。人生の決定的な瞬間が鮮やかに描かれた、ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。

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